駿府城と霧深き久能山をゆく(水無月)2015 -- 日本100名城

  (Sunpu Castle, Shizuoka)



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2015年
駿府城(日本100名城)にて
Photo at Sunpu Castle
撮影: M . L さん
ニコン:D5300,
レンズ:Nikon 単焦点35/1.8G

駿府城について
徳川家康がその晩年に居住したお城。地理的に東の江戸城と西の大阪城へ当時の感覚ではたぶん中間点。

はじめに

わたしは趣味で100名城とかをまわりつつ、司馬遼太郎さんの「街道をゆく」をできればなぞるように旅をしていたりします。あとはそれに、戦国武将とかの色合いを加味すると、だいたいわたしの旅のルートの浮かび上がり。

今回の旅では、コミック「へうげもの」にハマっていた時期で(今も続けてハマってるんだけども)、家康という人物について、前よりは興味ができたからでした。あ、ちなみにわたしは歴史の中の人たちに対して、秀吉さん、信長様、清政さん、などと呼ぶ癖があるんですが、家康さんだけはどうにもさんづけで呼べる心持ちにはなれずにおります。なのだけども、今回はさんを付けてあります^^;




駿府城と久能山へゆくことははじめから決めてあったので、 そのどっちに宿を取ろうかとすごい迷っていたんですよね。 静岡の駅から久能山への地理感もまるで無いし・・・。 なにやらロープウェイに乗らないとアクセスできなそうだと知って、 これはかなり移動で時間かかるかもな~と(ーー; だとしたら、久能山に宿とるほうが無難かな・・・とか悩んだり。 そんなことで数日悩んだけども、結局は駅に近くていろいろと移動しやすそうな静岡駅前に宿をとりました。 この駅前のシティホテル「アソシエ静岡」さんは、歩いて一分でコンビニがあって、 隣には流れ鮨というちょっとかわった回転鮨風のお鮨やさんもあります。 タクシー乗り場へもわずかに一分なので、最高の立地^^



(iPhone4にて)

同行した友人もコンビニの有無をとても気にする人なので、 大きめの駅前あたりか繁華街に宿をとることが多いのです。 金沢、仙台、熊本とここ最近、訪れたとこを思い出してもそんな気がします。

「あたしのいいかげんな地理感について」

旅日記でよく使う表現なんですが、わたしほんとに地理感覚がメチャクチャなんですよね。今回も静岡からもう少し西へゆけば、もうそこは愛知県で、わたしの感覚だと「関西じゃん!」ということに気づいてビックリ。イメージの中では、愛知県と静岡県のあいだにはなんかこう3~4県くらいを隔てていると思い込んでいて・・・。なので、新幹線で移動すると静岡の次に浜松で、さらに隣はもう名護屋というのが感覚としてわたしにはわかりにくいのです^^;
たぶんその原因は、名護屋っていうとこれはもう秀吉さんの世界だし、つまりは西の日本なんですよね。でも静岡っていうとこれは家康さんの世界で、いかにも東国という印象が。もっとも、浜松城とかを起点として眺めてみれば、わたしの感覚はとてもインチキなことはすぐにでもわかりそうなものだったんですが(ーー;



徳川家康さんの霊廟「久能山」とスペインの金時計

久能山へはロープウェイにて~。ロープウェイのガラス越しから一枚。





偶然にも400年祭でした。


久能山での想い出は、「濃霧」という言葉に凝縮されました。わたしの一生で、それまで「濃霧」というものをあまり経験したことがなかった。冬の頃に京都の嵐山の朝早い頃に神秘的な霧に出会ったりはあったけども、思い返せば「濃霧」というものではなかったし、「霧」だったのかもよくわからない。



(久能山東照宮前にて)

このとき、濃霧が晴れて急に超晴れになってビックリ(・・; そのせいかカメラの設定を iso 400 とかにしてあって、見返してみたら飛びまくっていた;;




久能山の前知識はほとんどなくて、なんとなく日光の東照宮の静岡版かなというのが(失礼な話ながら)、わたしの想像力の限界でした。

実際に訪れてみると、これは日光の東照宮とは全然違うもので、どちらがどうということはもちろんないけども、山深いところにあるだけ、久能山のほうが神秘性ははるかにあるかなとか思ったり。




久能山といえば、家康さんの霊廟があって、ほぼ400年前に家康さんが没したときに”我が遺体は西をむけて埋葬してくれ”というようなことを天海さんら5人くらいの近臣に伝えたとか。その理由は、もしも徳川の天下を倒すものがでるとすれば、それは西からで、おそらくは毛利か島津だろうということだったみたい。

これについて、よく友人との話になるんだけども、たしかに幕末の頃、徳川幕府にトドメを刺したのは薩摩藩と長州藩で、多少に無理はあるけども「島津」と「毛利」だったな~と思うと、江戸という長い時代は、あまり勢力の変化を起こさないままに時間がすぎていったのかなと感じちゃいます。幕末の最後になって、徳川慶喜さんが「旗本八万騎、この300年間、何をしていたのか」と言ったとか言わないとか・・・。



「久能山博物館の伝説のスペイン時計」

久能山を訪れた理由のひとつは、とある金製の置き時計を見るためでした。もちろん、徳川さん伝来の鎧とか刀なども気にはなるけども、この置き時計はわたしにとって特別な歴史の流れをまとっているものでした。

かつてスペインの国王が、家康さんに贈ったものが、なんらかの事情でキリシタン大名の小西行長さんの手に渡って、さらには石田三成さんの手に渡ったと聞いてます。ただ、これはどうにも妙な話で、家康さんから行長さんへの流れがどうも妙だな~とか思うけど(ーー;??

当時の江戸というのは、長崎、対馬、松前、を除くと残念ながら基本的には世界から閉ざされた国だったけれども、その一歩手前の時代まではたしかに日本は広い世界とつながる可能性に溢れていたと思うんですよね。1600年前後は大航海時代としては、もうほとんど後期だけども、このスペインの黄金時計は、当時の世界のとても大きな流れを映していたと思っちゃう。今ではレプリカもつくられたそうで、それまでは謎とされていたつくりも今では謎ではなくなったそうですね・・・。






駿府城とその素晴らしき日本庭園

駿府城へは静岡駅からタクシーでいっちゃいました。はじめて訪れるところでは、とりあえずタクシーに乗ってみる。ドライバーさんと軽くおしゃべりして、その土地の雰囲気をなんとなく感じてみる。わたしの旅には欠かせないこと。





駿府城は、駿府城址公園という風になっていて、残念ながらオリジナルの建造物はほとんど残っておりません。再現されたヒツジサル櫓はとてもいいところですが、石垣などは熊本城や金沢城などに比べるとあまり残っていません。でもその櫓の案内をしてくださる係の方がほんとうにいい感じの方で、これはあまりあることではないので印象に残りました。訪れる側として、あたしみたいな分際で何を言うのかと思われちゃうかもだけど、いろいろと訊いてみて、その歴史や文化についてお話をすることが楽しみなので、駿府城はいいとこだな~って思た。




お!こういう感じ、大好き^^ 石畳とかとにかく石に水滴がついていると、あたしの大好物。









あれ?なんかが写ってる・・・(・・;? 最初、ビニール袋かな?と思ったりもしたけど、おそらくは鳥さんだったと思います。




え~と・・・。実は、結構な雨が降っていたんですよね;; わたしたちのD5300は防滴じゃないので、霧雨くらいならいいけどもそれ以上だといろいろ難しく・・・。







この駿府滞在で、はじめてNikon D5300に単焦点35mm/f1.8を組み合わせてみました。 慣れないせいと、ライトルームでの現像方法がよくわからないせいもあって、今では35/1.8はD5100とくっつけてます^^; なんとなくだけど、D5300にはズームレンズとかのほうがやりやすいな~とか思ったです。





意外にも、深く、奥まで続く小道。日本庭園としても珍しいつくりだと思いいました。何があるのかは現地でどうぞ~^^










日本庭園には欠かせない「お茶処」。ここはお味はもちろん、器、サービス、おしゃべり、など完璧でした。
これほどの「庭園内お茶処」は京都以外では出会ったことがないくらいにいい感じで、かなりオススメです。

どことなく、金沢の兼六園を思い起こさせる優雅さ。









いつものように食べ物ネタを少しだけ

出た!この謎の食べ物(・・; あ、とても美味しいのだけども、家康さんがイチゴを好んで食べていたかが気にかかります。
有名な「鯛のてんぷら(今で言うソテーかな)」やうなぎはかなり好きだったそうだけども、イチゴと家康さんの組み合わせはかなり意外。
あ、でも駿府城に「家康さんの植えたミカンの木」が今でも残っているから、イチゴも食べていたのかもしれない。

静岡おでんの謎



手元にある静岡のガイドブックを眺めてみたら「黒はんぺん」というのがとても有名とのこと。 2日目のランチに訪れためっちゃ地元な雰囲気のおでん屋さん。 黒はんぺんは不思議な味で、はじめていただきました。あっさりしていて美味しい~^^ でも、現地のマップがとてもわかりにくく、これは流石にGPSなしではアクセスできなそう(ーー;


おわりに。そして、次の旅へ
静岡にはまた必ず来ようと思ってます。 まだ掛川城を訪れていないし、浜松城も訪れたいし・・・。 そのときこそは、今回の旅では時間の都合で見送ってしまった「三島のうなぎ」と「沼津のお鮨」を満喫するつもりでいます^^v

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